ウィンブルドン
ジャンル:スポーツ
メーカー:セガ
定価:3,200円
人数:1〜2
ゲームギアで唯一となるテニスゲーム。タイトル通りウィンブルドン選手権を舞台にしたツアーモードを中心に、シングルスのフリーマッチやダブルスなど複数のプレイスタイルを収録しており、携帯機ながらバリエーション豊かなモード構成が楽しめる一本。
キャラクターの動きは滑らかで、操作のレスポンスも良好。プレイヤーキャラよりも明らかに大きめに描かれたテニスボールは視認性が高く、ラケットの当たり判定も広めに設定されているため、正確な位置取りを意識せずともラリーが成立しやすい。そのぶんゲーム全体の難易度はやや易しめで、アクションが苦手なプレイヤーでもストレスなくプレイできるよう工夫されている。
ただし、ロブやスマッシュといった本格的なショットの打ち分けは少なく、基本的には打ち返すか返されるかの繰り返しとなるため、競技性よりもシンプルにテンポ良くラリーを楽しむタイプの作りとなっている。テニスゲームとしての奥深さは抑えられているが、あくまで携帯機で“手軽に遊べる”という点を重視した設計は、当時のユーザー層に合っていたともいえる。
ツアーモードでは世界中の選手たちと戦い、勝ち進んでいくことでウィンブルドン制覇を目指す。進行はパスワード制で管理されており、バッテリーバックアップがなくても途中再開が可能。演出面はシンプルながら、スピード感と軽快な操作性が魅力で、携帯機向けとしてしっかり楽しめるテニスゲームに仕上がっている。ゲームギアのスポーツジャンルにおける貴重な作品。